植毛後のかさぶたをケアするには

自毛植毛をした後、頭皮にかさぶたができることがあります。
気になってつい触りそうになってしまったり、剥がしたくなってしまったりすることもあるかと思います。
「何でこんなのができるの？」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。

というわけでここでは、「かさぶたとは何か」「植毛後のかさぶたケア方法」についてまとめてみました。

■術後にかさぶたができるのはなぜ？
そもそも自毛植毛によって頭皮にかさぶたができる理由は、手術の方法にあります。

植毛手術にはいくつか種類がありますが、特に多いのはメスを使った外科手術です。
具体的には、薄毛が気になる部分にスリット(切れ込み)を入れ、そこに毛根を植え込みます。
その際に患部から滲み出た血が乾いて固まることで、かさぶたができます。

とはいえ、スリットの長さは1mm程度。
人によっては、出血しないまま傷口が塞がることもあるでしょう。
仮にかさぶたができたとしても、一般に術後10日から2週間ほどで自然に剥がれ落ちていきます。

■かさぶたの役割
かさぶたは一見すると汚らしいものに思えるかもしれませんが、傷を治癒するための重要な役割を担っています。たとえば、傷口を覆うようにして固まることで、傷口の乾燥を防ぎつつ、細菌の侵入を阻止します。また、傷口が今以上に開かないように固定する役割も担っています。
このような働きによってスムーズな治癒を促し、そして傷が治る頃に自然に剥がれ落ちていきます。

そのような役割を持つかさぶたを無理に剥がしてしまうと、傷の治りが遅くなるほか、さらに出血量が増える、傷が深くなるといったことになりかねません。
また、自毛植毛の場合には、移植した髪が定着する前に抜けてしまうおそれもあります。
極力触らず、自然に剥がれ落ちるのを待つことを強くおすすめします。

■かさぶたをケアする方法
かさぶたは自然に剥がれ落ちるのを待つのがベストですが、剥がれ落ちるまでの期間は人それぞれ。
その間、極力触らないように意識し続ける、あるいは周囲からの視線を気にし続けるのもなかなかに大変なことです。

1日でも早く剥がれ落ちてほしいところですが、そのためには正しくケアすることを心がけましょう。
具体的には、入浴時に頭皮をマッサージするように指の腹で優しく洗います。
このとき、直接かさぶたを触るのではなく、その周辺を小さな円を描くようにマッサージするのがおすすめ。自然にかさぶたが剥がれ落ちやすくなります。

ただし、この頭皮マッサージは術後1週間ほど経ってから始めるようにしましょう。
自毛植毛をしてからしばらくの間は傷が開きやすく、また移植した髪を定着させる必要があります。
そのため、強い刺激を与えるのはNG。
患部に直接シャワーを当てることを控え、霧吹きなどを使って優しく丁寧に洗髪する必要があります。
また、その際は水の温度を人肌程度に設定するといいでしょう。

■その他の注意点
薄毛の目立つ位置にかさぶたができると、周囲からの目を気にしてしまう方もいるのではないかと思います。
そこで、「帽子をかぶって隠そう」と考える人もいらっしゃるでしょう。
確かに、帽子をかぶれば簡単に頭皮を隠すことはできます……しかしこれについても、少なくとも述語数日間はかぶらないことをおすすめします。
帽子やヘルメットなどで頭皮を抑えてしまうと患部に余計な負荷がかかるほか、擦れてかさぶたを剥がしてしまう可能性があります。

また、
・ヘアメイクのために整髪料を使用する
・激しい運動をする
・過度に飲酒、喫煙をする
といったことも同様に、頭皮に負担をかけるおそれがあります。
傷口の回復に支障をきたさないために、しばらくは控えることをおすすめします。

以上、術後にできたかさぶたのケア方法について紹介しました。
ちなみに当院では、患者様の頭皮に極力負担をかけない「マイクロFUE植毛」を採用しています。
スリットを入れたり縫合したりといったことが一切ない方法です。目に見えるような傷口が残ることはなく、傷口を極力小さく抑えることで、かさぶたが生じにくいという特徴もあります。
術後の傷口、かさぶたを気にされる方は、ぜひ気軽にご相談ください。