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コラムcolumn

2018.11.01

薄毛という最も深刻な悩みを解決する

人類最大の悩み

現代に限らず太古の昔から、薄毛は人類(最大?)の悩みでした。人は自分の姿が大きく変わっていくことに対して恐れを抱いています。頭髪が失われることによってなされるというのは、老いを感じさせるだけでなく、喪失感という感情に支配され、その人を憂鬱にするのです。しかし、悩みに負けてしまうだけではないのが人類です。薄毛の悩みを克服するには、どのようにしたらよいのでしょうか。

 

薄毛の事実は受け入れられるのか

まず、薄毛の事実を受け入れるというのは難しいものです。ありのままの自分を見せることの大切さは、常に言われていることです。自分の愛する人には格好良い姿を見せたいと思う心も、また真実ではないでしょうか。さらに、これからパートナーを見つけたい人であれば、なおさら自分の姿にはこだわりたいものです。薄毛を解消するためのあらゆる方法が考え出されてきました。今からおよそ3千年前、古代エジプトでも育毛剤は存在したそうです。また、エジプト王は威厳を保つためにカツラを常用していたといいます。西洋でもカツラは愛用され、成人男子の正装の一部として定着しました。学校の音楽室にある作曲家、バッハらの肖像画の特徴的な髪形は、カツラを被っているのです。今でも、裁判の時に裁判官や検事、弁護士がカツラを着用する国があります。しかし、カツラは蒸れますから、より薄毛が進行する原因にもなります。養毛剤は血行を良くして薄毛を防止する効果はありますが、失われた頭髪が再び生えてくることはほとんどありません。

 

薄毛の悩みを解決する植毛

薄毛を根本的に解決する方法は、髪の毛を植えるということになります。実は植毛のアイデアを考え出したのは日本人で、1939年に奥田正二という医師が、頭部をやけどして毛が生えなくなってしまった人に、頭の他の部分の皮膚を移植することを提唱したのです。しかし戦時下と言うこともあって普及しませんでした。戦後、1959年にアメリカのオレントライヒ博士が、『パンチグラフト法』として発展させました。他にも、一本の髪の毛に何本もの人工毛を巻きつける結着増毛法や、人工毛植毛などが開発されました。人工毛は定着が難しく、伸びることがないために自毛の部分との差異が大きいというデメリットがあります。それに対して、毛が抜けにくい部分の頭皮から自分の髪の毛を毛包ごと移植する自毛植毛術は生着しやすく、その後も髪の毛が伸びたり生え替わったりするので、最も薄毛の解決に繋がる治療法とされています。しかしその方法も多くの試行錯誤が行われました。1975年に登場した、側頭部から毛髪の多い皮膚を少しだけ頭皮に繋がった状態で切り取り、薄い部分に移植するフラップ法(有茎皮弁法)は、一度に大量の毛髪を移動することができるということで一時期広まりました。傷痕が大きく残ること、移植床の髪の毛と毛流が異なり、不自然であることから次第に行われなくなりました。現在主流となっているのは、パンチグラフト法をもとに1990年代に発展したマイクログラフト法です。FUT法、ストリップ法とも呼ばれます。採取したドナーを細かく株分けして植えていくことで、植えた部位も自然な仕上がりが可能になり、また採取部の傷痕は一本の直線で済むようになったのです。今では世界中に自毛植毛術は普及し、芸能人やスポーツ選手なども受けて話題になっています。頭でボールを扱うサッカー選手なども自毛植毛を受けていることからも、その技術は格段に進歩しているということがわかります。2000年代には、頭皮を帯状に採取して切り分けるのではなく、始めから毛穴単位で採取する方法『FUE法』が、日本および韓国といった東アジア諸国を中心に増加しています。

 

カウンセリングを受けることが大切

さて、自毛植毛が薄毛の悩みを解決する有効な手段だといっても、実行するためにはクリアしなければいけない点がたくさんあります。まずは自分の頭皮の状態をしっかり把握することです。ここで注意しなければならないのは、薄毛の問題から逃げていると、状況を把握できないことです。薄毛を受け入れて気にしないことについては先ほど述べましたが、解決のために植毛する時にもきちんと薄毛に向かい合うことが重要なのです。医師の診察をしっかり受けて、どのような治療方針であるか話し合いましょう。手術自体の成功よりも、このカウンセリングが植毛の成功の大きな要素となります。やり直すことがなかなかできない手術ですから、納得のいくまで質問するべきです。大切なのは植毛のデザインです。たくさん植毛すれば良い結果に繋がり易いですが、予算は限られています。限られた資金で最大の効果を発揮できるのが、良い手術プラン、デザインと言えるでしょう。きちんとデザインしておかないと違和感が出てしまいます。特に生え際のラインの形、高さをどうするかは慎重に決めましょう。このようなカウンセリングを受けることで、それまでの悩みが軽くなることもあるのです。

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